Coffee Break
表面型大腸腫瘍と牛肉
pp.968
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105895
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表面型大腸腫瘍ほどわれわれ大腸疾患の診断に長年従事してきた者を驚かせ,夢中にさせたものはない.最初の興奮が去っていくと,いくつかの疑問が湧いてくる.そのうちの最大のものは,やはりどうして昔は見つからなかったのかということである.なかったのか,あったが気づかなかっただけか.内視鏡や剖検で見つからなかったのはまだしも,切除標本で誰も気づかなかったというのは不思議としか言いようがない.常識的な答えはコロンブスの卵,すなわち“知らないものは見ていても視えない”に落ち着くであろう.しかし,それで済ませてよいものであろうか.
あまりにも急速(1980年代後半から)かつ局地的な(日本)登場は,epidemic diseaseを思わせる.AIDSだって最初はなんだか特別な人達の病気で触らぬ神に崇りなしと考えなくもなかったではないか.
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