Japanese
English
症例報告
人工股関節置換術および開腹手術の創部に生じた壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum arising in operative wounds after the total hip arthroplasty and the abdominal surgery
福長 美幸
1,2
,
内山 真樹
1,2
,
奈良橋 喜芳
3
,
坪井 良治
2
Miyuki FUKUNAGA
1,2
,
Masaki UCHIYAMA
1,2
,
Kiyoshi NARAHASHI
3
,
Ryoji TSUBOI
2
1新座志木中央総合病院皮膚科
2東京医科大学病院皮膚科
3新座志木中央総合病院消化器外科
1Division of Dermatology, Niizashiki Central General Hospital, Niiza, Japan
2Department of Dermatology, Tokyo Medical University Hospital, Tokyo, Japan
3Division of Gastrointestinal Surgery, Niizashiki Central General Hospital, Niiza, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
外科的侵襲
,
潰瘍
,
手術
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
外科的侵襲
,
潰瘍
,
手術
pp.967-971
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205245
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要約 61歳,男性.14年前に壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)と診断され,他院にてヨウ化カリウム,塩酸ミノサイクリン,およびプレドニゾロン20mg/dayの内服で治療されていた.2015年6月に人工股関節置換術を施行後,創部に潰瘍を発症した.同部位の病理組織像で真皮全層と皮下脂肪織に好中球の浸潤を認め,PGによる潰瘍と診断した.その後,同年7月に結腸ポリープに対してポリペクトミーを施行した.2か月後に同部位に消化管穿孔を発症した.右結腸切除術および人工肛門造設術を施行したところ,創部皮膚に穿掘性の潰瘍を生じ,PGの再燃と診断した.治療に抵抗性を示し,敗血症に伴う多臓器不全を合併し永眠した.壊疽性膿皮症は炎症性腸疾患を合併することが多く,しばしばポリペクトミーを施行することがあるが,それにより病態が崩れ,PGの再燃を惹起する可能性があり報告する.
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