Japanese
English
症例報告
糖尿病性動脈硬化症に合併したBazin硬結性紅斑の1例
A case of erythema induratum of Bazin accompanied with diabetic atherosclerosis
赤芝 知己
1
,
根岸 亜津佐
1
,
長 晃平
2
,
岩本 正照
3
,
石河 晃
4
,
岩渕 千雅子
1
Tomomi AKASHIBA
1
,
Azusa NEGISHI
1
,
Cho KOUHEI
2
,
Masateru IWAMOTO
3
,
Akira ISHIKO
4
,
Chikako IWABUCHI
1
1日産厚生会玉川病院皮膚科
2日産厚生会玉川病院呼吸器内科
3日産厚生会玉川病院糖尿病内科
4東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Division of Dermatology, Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
3Division of Diabetic Tract Medicine, Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
4Department of Dermatology, Toho University(Omori), Tokyo, Japan
キーワード:
Bazin硬結性紅斑
,
T-SPOT®
,
糖尿病
,
閉塞性動脈硬化症
,
抗結核薬
Keyword:
Bazin硬結性紅斑
,
T-SPOT®
,
糖尿病
,
閉塞性動脈硬化症
,
抗結核薬
pp.869-874
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205222
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要約 51歳,男性.25年前に肺結核の既往あり,1型糖尿病を合併していた.数か月前より左足背に紅斑が出現した.前医にて蜂窩織炎と診断され,抗菌薬加療されたが,紅斑は拡大し,潰瘍化したため当科を紹介され受診した.初診時,左足背に圧痛を伴うびまん性の発赤腫脹と黒色壊死組織を伴う潰瘍を認め,下腿には皮下硬結を伴う紅斑が散在していた.CT angiographyでは脛骨・腓骨動脈に閉塞を認め,閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans:ASO)を合併していた.左下腿紅斑の病理組織像は小葉性脂肪織炎,乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫と血管炎を認めた.活動性の肺病変はなかったが,ツベルクリン反応は強陽性,T-SPOT®陽性から,ASOの合併のため重症化したBazin硬結性紅斑と診断した.抗結核薬4剤とプレドニゾロン,アルプロスタジルの投与にて潰瘍は上皮化し略治した.Bazin硬結性紅斑では,正確な病態の把握と必要に応じた適切な追加治療が重要であると考えた.
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