Japanese
English
症例報告
発疹からはデング熱との鑑別が困難であったチクングニア熱の1例
A case of Chikungunya fever, presenting an eruption in distinguish able from dengue fever
平塚 理沙
1
,
関根 万里
1
,
角田 隆文
2
,
石河 晃
3
Risa HIRATSUKA
1
,
Mari SEKINE
1
,
Takahumi TSUNODA
2
,
Akira ISHIKO
3
1東京都保健医療公社荏原病院皮膚科
2東京都保健医療公社荏原病院感染症科
3東邦大学医学部皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Health and Medical Treatment Corporation Ebara Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Infectious Diseases, Tokyo Metropolitan Health and Medical Treatment Corporation Ebara Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
チクングニア熱
,
バリ島
,
発疹
Keyword:
チクングニア熱
,
バリ島
,
発疹
pp.875-878
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205223
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要約 37歳,女性.2015年4月末より6日間バリ島に滞在した.帰国時に筋肉痛,肘関節痛,腹部に小紅斑が出現し,翌日には40℃の発熱があった.他院でデング熱が疑われたが,非構造蛋白(NS1)抗原は陰性であったため,発症4日目に当院に入院となった.チクングニアウイルス遺伝子検査およびIgM抗体が陽性であり,チクングニア熱と確定診断した.発症8日目で解熱し,発症11日目には発疹はほぼ消退した.近年,チクングニア熱は海外での流行の拡大がある.本邦の報告例はすべて輸入感染症であるが,媒介蚊の1つヒトスジシマカは日本にも生息しており,今後デング熱のような国内流行の可能性がある.流行を防ぐために,早期診断が必要である.
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