Japanese
English
症例報告
非神経線維腫症1型の患者の腹部に生じた悪性末梢神経鞘腫瘍の1例
A case of malignant peripheral nerve sheath tumor arising on the abdomen of non-neurofibromatosis type 1 patient
宮﨑 満利子
1,2
,
津田 憲志郎
1
,
東山 文香
1
,
水谷 仁
3
Mariko MIYAZAKI
1,2
,
Kenshiro TSUDA
1
,
Ayaka HIGASHIYAMA
1
,
Hitoshi MIZUTANI
3
1三重大学医学部附属病院皮膚科
2市立伊勢総合病院皮膚科
3三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座皮膚科学
1Department of Dermatology, Mie University Hospital, Tsu, Japan
2Division of Dermatology, Ise Municipal General Hospital, Ise, Japan
3Department of Dermatology, Mie University Graduate School of Medicine, Tsu, Japan
キーワード:
悪性末梢神経鞘腫瘍
,
MPNST
,
神経線維腫1型
,
NF-1
,
免疫染色
Keyword:
悪性末梢神経鞘腫瘍
,
MPNST
,
神経線維腫1型
,
NF-1
,
免疫染色
pp.451-456
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205125
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要約 39歳,女性.約20年前左下腹部に茶褐色の色素斑を自覚した.その後緩徐に増大を認めていた.初診1年前から急速に増大したため当科を受診した.初診時60×30×30mmの下床との可動性を有する,弾性やや硬の表面茶褐色の腫瘤を認めた.神経線維腫症1型の家族歴はない.全摘生検を施行した.病理組織像では核分裂像を認める紡錘形細胞の束状性,錯綜性の配列を認めた.免疫染色でS100蛋白,SOX10,NSE陽性であり悪性末梢神経鞘腫瘍と診断した.全身CT検査で内臓悪性腫瘍や転移がないことを確認し,局所の拡大切除と全層植皮術による再建を行った.術後20か月経過し局所再発や転移は認めていない.非神経線維腫症1型の患者に生じ長期の経過をとった悪性神経鞘腫瘍を経験し,その鑑別と疾患の特性について過去の報告と比較検討し,①高齢男性に多く発症部位に偏りがない,②赤色調でやや硬い腫瘍,③長期の経過中に急激に増大,④S100蛋白陽性,⑤予後不良例は若年者が特徴であると考えた.
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