Japanese
English
症例報告
左母指指端に生じた有茎性悪性末梢神経鞘腫瘍の1例
A case of pedunculated malignant peripheral nerve sheath tumor at the tip of the left thumb
貞安 杏奈
1
,
芳賀 貴裕
1
,
相場 節也
1
Anna SADAYASU
1
,
Takahiro HAGA
1
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
悪性末梢神経鞘腫瘍
,
手指
,
有茎性
,
免疫染色
Keyword:
悪性末梢神経鞘腫瘍
,
手指
,
有茎性
,
免疫染色
pp.711-714
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104102
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要約 86歳,男性.2012年11月,左母指指端を受傷した.その後,同部位に小結節が生じたが自然に消退した.12月上旬に同様の結節が出現し,急激に拡大したため,2013年1月上旬に近くの皮膚科を受診し,有棘細胞癌の疑いで当科を紹介受診した.初診時,左母指指端に26×21×20mm大の血痂,潰瘍を付着し壊死を伴う暗赤色ないし黄色調の有茎性結節を認めた.血管拡張性肉芽腫,エクリン汗孔腫あるいは癌を鑑別に切除生検した.病理組織学的に紡錘形の異型細胞が増殖し,免疫染色ではビメンチン,S100蛋白,NSE,ネスチン陽性であり,悪性末梢神経鞘腫瘍と診断した.切除断端は陰性で,術後6か月経過し,局所再発や転移は認めていない.悪性末梢神経鞘腫瘍は四肢近位や体幹に好発し,30~50%は神経線維腫症I型に合併する.今回われわれは非神経線維腫症I型の患者に生じた指端の悪性末梢神経鞘腫瘍を経験した.発症部位や臨床像からは診断が困難であった.
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