Japanese
English
症例報告
扁平な紅斑局面を呈した無色素性悪性黒色腫の1例
A case of amelanotic malignant melanoma presented as an erythematous macule
赤芝 知己
1
,
中村 元泰
1
,
市村 知佳
1
,
伊藤 崇
1
,
橋本 由起
1
,
林 健
2
,
石河 晃
1
Tomomi AKASHIBA
1
,
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Chika ICHIMURA
1
,
Takashi ITO
1
,
Yuki HASHIMOTO
1
,
Ken HAYASHI
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2東京労災病院皮膚科
1Department of Dermatology, Toho University(Omori), Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Tokyo Rosai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
無色素性悪性黒色腫
,
紅斑局面
,
末端黒子型
,
センチネルリンパ節生検
Keyword:
無色素性悪性黒色腫
,
紅斑局面
,
末端黒子型
,
センチネルリンパ節生検
pp.457-461
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205126
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要約 55歳,男性.初診1年半前より右第5趾腹側に紅色皮疹が出現した.近医でステロイド外用の加療を受けていたが,改善を認めず他の皮膚科を数件受診後,前医の皮膚生検で無色素性悪性黒色腫と診断され,当院を紹介受診した.初診時,右第5趾腹側に径21×16mmの弾性やや硬,表面に褐色の痂皮を伴う扁平な紅斑局面を認めた.ダーモスコピーでは毛細血管拡張と白色領域が混在していた.拡大切除ならびにセンチネルリンパ節生検を施行,tumor thickness 4.4mm,センチネルリンパ節に明らかな転移はみられなかった.末端黒子型無色素性悪性黒色腫T4bN0M0,Stage Ⅱcと診断した.術後3か月後の現在,局所の再発および転移は認めていない.扁平な紅斑局面を呈する無色素性悪性黒色腫はきわめて稀で,臨床像のみから黒色腫を疑うことは困難であり,当院初診までに多数の医療機関受診を要した.足底の治療抵抗性の紅斑局面は悪性腫瘍も念頭に積極的に生検すべきであると考えた.
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