Derm.2017
専門分野は自分の皮膚
谷崎 英昭
1
1大阪医科大学附属病院皮膚科
pp.155
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205097
- 有料閲覧
- 文献概要
物心がついた頃から乾燥肌があり掻き破っていたので,アトピー性皮膚炎歴は40年近くになる.両親や祖母に背中を掻いてもらっていたこと,頭皮全体が膿痂疹であったこと,兵庫医科大学に定期的に通院していたことなどなんとなく記憶に残っている.幸い自分の皮膚に対して悲観的になったことは一度もなく,いつの間にか個性の1つとして捉えるようになって現在に至っている.
大学院時代に携わらせていただいた仕事から「皮膚アレルギー」に関する講演の機会をいただくことが多い.その際には,IgE 24,000U/ml以上,Eos 3.7%,LDH 284IU/l,TARC 7,695pg/ml(2016年秋の測定),運動時の汗は多め,苔癬化も多め,天然保湿因子は少なめ,といった優等生ではない自分の皮膚をよく出演させる.見慣れているはずの自分の皮膚を見ながらふと感じることもあり,自分の皮膚を足がかりにした研究テーマもなるべく取り組んでいきたいと考えている.そして,自分(谷崎)の皮膚を見て皮膚科を目指し,できれば研究もしてくれるような後輩を育てていかなければいけないことも重要な任務になりつつある.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.