連載 かかわるチカラ―糖尿病療養指導の現場学・7
自分と向き合い,自分を認めるために
東 めぐみ
1
Megumi Higashi
1
1駿河台日本大学病院
pp.904-909
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101335
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事例 時間があっても生活を変えられない鈴木さん
「インスリンを超速効型にすればきちんとできると思うの」
鈴木さんは70代の女性.ずっと独身で美容師の仕事をしてきた,はっきりした物言いをする方だ.現在は高齢者マンションに一人暮らしであり,身の回りのことはヘルパーさんがやってくれている.数年来,内科外来に通いつつ,血糖コントロール目的の入退院を繰り返している.インスリン療法を開始して3年,速効型朝・昼・夕3回と持効型Nの4回法を行なっている.HbA1cは9~11%台で経過し,医師から生活習慣改善の指導を再三受けていた.
生活相談では鈴木さんと共に生活の調整点を考え,「お皿を小さなものにしましょう」など実行できそうな内容をあげてきた.しかし,「面倒でできなかった」と,できない理由を伝えてくることが続いた.
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