連載 “日常使い”の在宅の医学・第4回
皮膚・傷—自分たちでできること/実は急を要すること
安池 純士
1
,
佐々木 淳
2
1医療法人社団悠翔会ケアタウン小平クリニック
2医療法人社団悠翔会
pp.162-165
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202094
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今回は皮膚の話です。在宅療養をしている高齢の方で、「かゆいのが治まらない……」「転んでけがをして、傷をつくってしまったがどうしたらよいのか?」という皮膚に関する悩みを抱えている方が少なくありません。皮膚トラブルは独自な方法で対処されていることもあると思いますが、中には急を要することもあります。今回はそれらを解説していきます。
その前に、まずは皮膚についての予備知識です。皮膚は人体最大の臓器と言われています。一般に臓器というと、心臓や肝臓、腎臓など「臓」の字がつく器官を思い浮かべるかもしれませんが、医学的には、皮膚も紛れもない臓器の1つとされています。通常、成人で畳1枚分の広さの皮膚に覆われおり、体重の約16%を占め、その機能は6つあります。
❶保護作用(体外の刺激から体を守ったり、体内からの水分喪失を防ぎます)
❷分泌作用(皮脂や汗を分泌し、皮膚の乾燥を防ぎます)
❸体温調節作用(暑い時には体温の上昇を防ぎ、寒い時には体温が奪われないようにします)
❹貯蓄作用(皮下に脂肪を蓄えます)
❺排泄作用(体内の老廃物を、汗として捨てています)
❻知覚作用(熱い、冷たい、痛い、かゆいなどを感じています)
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