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多くの医局長の先生方は病棟,外来,手術などの日々の臨床業務や研究などに+αで医局長を兼務していると思います.臨床や研究と違い,医局長の仕事は時間を浪費する一方で,結果は形にはわかりにくく一定の評価を受けるのは難しいです.どんなに時間を割いて医局員のスケジュール管理をしても,必ず不満と感じる先生もいると思います.そこで,医局長の達成感も臨床や研究に求めてみてはどうでしょうか.そのためには,医局長の仕事時間を短縮することがポイントになります.例えば1年間のスケジュールを年度末の事前アンケートを参考にして作成します.当直表も含めて年間予定表を年度分作成してしまえば,毎月の予定表は小さな修正で済みます.事前アンケートにより医局員の不満も減ると思います.重要事項さえ決めれば,毎月の予定表は他の医局員でも作成が可能です.医局員の確保で力を入れたのが,産休や育児休職中の先生の早期復職です.個々のワーク・ライフ・バランスにあった仕事内容を提案し,周囲の医局員にも理解を求めました.復職して活躍している先生は,安心して働ける良いロールモデルになり,また入局者の確保にもつながります.医局員が増えれば仕事も分散されて時間の確保につながるでしょう.結果はすぐには出ませんが,徐々に時間が確保できるようになると思います.そしたらぜひ,学会・雑誌での症例・研究報告に挑戦してください.学会報告を終えたとき,論文掲載が決まったとき,そのとき感じた達成感はこれまで以上だと思います.それは形にはならずとも裏にある日々の医局長業務の努力の結果でもあります.医局長の成果と評価はいつの時代も賛否両論を受けると思いますが,研究や臨床から結果を出すことができれば,達成感と同時に医局員の協力や理解も得られると思います.
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