Derm.2017
水疱症外来を担当して
石井 健
1
1東邦大学医学部皮膚科学教室
pp.152
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205095
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東邦大学皮膚科に赴任して5年目になるが,専門外来は水疱症外来を担当している.天疱瘡,水疱性類天疱瘡などで退院後の病勢の落ち着いた維持期の患者を主に診察している.維持期の症例では水疱,びらんが全くないので,デスモグレイン1,3抗体,BP180抗体を測定し,その抗体価の推移を指標にしながらプレドニゾロンの減量時期を決めている.抗体価が減少していれば比較的安心して減量できるし,逆に抗体価が上昇していれば減量せずに経過を見たりする.もし抗体価のデータなしで診察するとなると,患者への説明が自信のないものになってしまうし説得力のないものになってしまうのではないかと思う.客観的データを使って説明することの重要性を改めて感じる.
私は大学院のときにデスモグレインELISAの開発の仕事に関わったのだが,その研究成果が日常診療に使われて患者の役に立っているのを今になり実感している.その研究プロジェクトに参加できてよかったと思う.今後も臨床応用できる研究をし,また若い先生方の研究の指導をしていきたい.
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