Japanese
English
症例報告
シクロスポリンが著効した毛孔性紅色粃糠疹の1例
A case of pityriasis rubra pilaris, successfully treated with oral cyclosporine
小谷 晋平
1
,
大森 麻美子
1
,
小坂 博志
1
,
小川 真希子
1
,
長野 徹
1
,
今井 幸弘
2
Shimpei KOTANI
1
,
Mamiko OOMORI
1
,
Hiroshi KOSAKA
1
,
Makiko OGAWA
1
,
Tohru NAGANO
1
,
Yukihiro IMAI
2
1神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科
2神戸市立医療センター中央市民病院病理診断科
1Division of Dermatology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
2Division of Clinical Pathology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
キーワード:
毛孔性紅色粃糠疹
,
エトレチナート
,
シクロスポリン
Keyword:
毛孔性紅色粃糠疹
,
エトレチナート
,
シクロスポリン
pp.216-220
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205010
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要約 35歳,女性.初診の2か月前から顔面,軀幹,四肢に軽い瘙痒を伴う紅色皮疹が出現し拡大したため当科を紹介された.初診時,軀幹と四肢に,周囲に鱗屑を付着する母指頭大までの乾癬様の紅斑および赤橙色を呈した毛孔一致性丘疹の集簇を認めた.掌蹠は全体的に潮紅し,著明に角化していた.左大腿外側皮疹の病理組織像では,角層と表皮に肥厚を認めたが,顆粒層の消失や表皮突起の棍棒状の延長はなく,また,真皮浅層の炎症細胞浸潤は軽度であった.臨床像および皮膚生検病理組織像より,自験例を毛孔性紅色粃糠疹と診断した.患者が挙児希望のため,シクロスポリンの内服にて加療し,3か月後に軽度の紅斑を残して略治した.本疾患の内服薬の第一選択はエトレチナートとされているが,エトレチナートが使用困難な症例において,シクロスポリンは有力な選択肢になりうると考えた.
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