Japanese
English
症例報告
臍部の感染を契機に発見された尿膜管遺残症の1例
A case of urachal remnant with umbilical infection
小谷 晋平
1
,
大森 麻美子
1
,
小坂 博志
1
,
小川 真希子
1
,
長野 徹
1
,
松岡 崇志
2
,
川喜田 睦司
2
,
今井 幸弘
3
,
繁益 弘志
4
Shimpei KOTANI
1
,
Mamiko OOMORI
1
,
Hiroshi KOSAKA
1
,
Makiko OGAWA
1
,
Tohru NAGANO
1
,
Takashi MATSUOKA
2
,
Mutsushi KAWAKITA
2
,
Yukihiro IMAI
3
,
Hiroshi HANYAKU
4
1神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科
2神戸市立医療センター中央市民病院泌尿器科
3神戸市立医療センター中央市民病院病理診断科
4はんやく皮フ科クリニック
1Division of Dermatology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
2Division of Urology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
3Division of Pathology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
4Hanyaku Dermatology Clinic, Kobe, Japan
キーワード:
尿膜管遺残
,
臍炎
,
転移性皮膚腫瘍
,
Sister-Mary-Joseph's nodule
Keyword:
尿膜管遺残
,
臍炎
,
転移性皮膚腫瘍
,
Sister-Mary-Joseph's nodule
pp.230-234
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204353
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要約 32歳,男性.前日から急激に増強した臍部痛のため近医皮膚科を受診した.臍部痛と悪臭ある膿汁を認めたため,同院にてセフカピペンピボキシル,1回100mg,1日3回を約1週間投与されたが,改善傾向なく当科を紹介され受診した.初診時の採血ではWBC 9.4×103/μl,CRP 0.44mg/dlであり,炎症反応の上昇は軽度であったが,臍部痛と同部からの膿汁排出は持続していた.嫌気性菌の可能性を疑い,抗生剤をレボフロキサシン,クリンダマイシンに変更し継続したが,排膿は増加し,安静時・排尿時の疼痛も認めるようになった.腹部造影CTで臍部から膀胱頂部に連続する索状物を認め,臍部の皮膚生検病理組織像でも炎症性肉芽腫性変化を認めたため,尿膜管遺残と診断した.その後,当院泌尿器科にて切除した.尿膜管遺残症は外科や泌尿器科,小児科では決して珍しい疾患ではないが,皮膚科医が遭遇するケースも稀ならずあると考えられる.臍部の炎症性腫瘤を見た場合は,本症も念頭に置いて診察することが重要と思われた.
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