Japanese
English
症例報告
小児の頰部に生じたMicrosporum gypseumによる顔面白癬の1例
A case of tinea faciei caused by Microsporum gypseum in an immunoconpetent infant
小谷 晋平
1
,
大森 麻美子
1
,
小坂 博志
1
,
上野 充彦
1
,
小川 真希子
1
,
長野 徹
1
,
竹川 啓史
2
Shimpei KOTANI
1
,
Mamiko OOMORI
1
,
Hiroshi KOSAKA
1
,
Mitsuhiko UENO
1
,
Makiko OGAWA
1
,
Tohru NAGANO
1
,
Keiji TAKEGAWA
2
1神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科
2神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
1Division of Dermatology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
2Division of Clinical Laboratory Technique, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
キーワード:
Microsporum gypseum
,
小児
,
顔面白癬
Keyword:
Microsporum gypseum
,
小児
,
顔面白癬
pp.737-740
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104107
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要約 1歳,女児.初診3か月前から左頰部の紅色局面があり,近医でステロイド剤・抗菌剤を外用したが徐々に拡大してきた.初診時左頰部に環状で,周囲とは境界明瞭な軽度落屑を伴う紅色の局面を認めた.紅色調は辺縁に強く,膿疱もみられた.真菌培養検査にてMicrosporum gypseumが検出され,ラノコナゾール外用を継続し略治した.M. gypseumは一般に好土壌性真菌とされ,非病原性であるが,まれにヒトや動物に感染する.土壌との接触がなくとも,ペットを介したヒトへの感染の可能性も指摘されており,土壌と接触の既往がなくとも感染する恐れがある.また,異型白癬の像を呈することもあり,診断に難渋することがある.小児の報告例が多く顔面,軀幹の白癬の起因菌として念頭に置く必要があると考えた.
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