Japanese
English
症例報告
ブロダルマブが著効した毛孔性紅色粃糠疹続発性紅皮症の1例
A case of erythrodermic pityriasis rubra pilaris successfully treated with brodalumab
島野 麻由奈
1
,
山口 泰之
1,2
,
平田 悠
1,3
,
堀田 萌子
1
,
古屋 和彦
1
Mayuna SHIMANO
1
,
Yasuyuki YAMAGUCHI
1,2
,
Yu HIRATA
1,3
,
Moeko HOTTA
1
,
Kazuhiko FURUYA
1
1函館中央病院皮膚科
2廣仁会札幌皮膚科クリニック
3ひらた皮フ科クリニック
1Division of Dermatology, Hakodate Central General Hospital, Hakodate, Japan
2Kojinkai Sapporo Skin Clinic, Sapporo, Japan
3Hakodate Hirata Dermatology Clinic, Hakodate, Japan
キーワード:
毛孔性紅色粃糠疹
,
紅皮症
,
エトレチナート
,
ブロダルマブ
,
生物学的製剤
Keyword:
毛孔性紅色粃糠疹
,
紅皮症
,
エトレチナート
,
ブロダルマブ
,
生物学的製剤
pp.787-792
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206785
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 80歳,男性.初診1か月半前に全身に紅斑が出現した.毛孔一致性の角化性丘疹や粃糠様鱗屑を付する紅斑が全身に多発しており,病理組織学的に毛孔に一致した角栓や錯角化を認めた.毛孔性紅色粃糠疹I型と診断し,シクロスポリンやエトレチナートを投与したものの,皮疹は改善せず紅皮症に進展した.患者や家族と相談のうえ,ブロダルマブを導入したところ,導入1か月後には皮疹は消失した.導入3か月後に患者希望により投与を中止したが,3か月で再燃し,投与を再開したところ奏効した.再開後1年が経過してからは投与間隔を4週間としたが,投与間隔を延長してからも,再燃なく経過している.毛孔性紅色粃糠疹はしばしば治療に難渋するが,自験例を含め生物学的製剤が著効するという報告が増えており,有力な治療選択肢となる可能性が示唆される.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.