Japanese
English
症例報告
紅皮症と著明な下肢浮腫を呈した毛孔性紅色粃糠疹の1例
A case of pityriasis rubra pilaris with erythroderma and prominent lower limb edema
小笠原 渚
1
,
倉田 麻衣子
1
,
福山 雅大
1
,
佐藤 洋平
1
,
大山 学
1
Nagisa OGASAWARA
1
,
Maiko KURATA
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Yohei SATO
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
毛孔性紅色粃糠疹
,
紅皮症
,
浮腫
,
エトレチナート
,
ナローバンドUVB
Keyword:
毛孔性紅色粃糠疹
,
紅皮症
,
浮腫
,
エトレチナート
,
ナローバンドUVB
pp.1073-1078
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207160
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要約 58歳,男性.初診2か月前,軀幹四肢に皮疹が出現した.近医でステロイドを外用するも改善せず,全身に皮疹が拡大するとともに下肢浮腫が出現し歩行困難となった.前医で乾癬が疑われアプレミラストやシクロスポリンを内服したが症状改善せず,当科を受診した.掌蹠に過角化が目立ち,軀幹・四肢は紅皮症を呈していたが,一部島状に正常皮膚がみられた.病理組織学的所見で角層がチェッカーボードパターンを呈しており,臨床所見と合わせ毛孔性紅色粃糠疹と診断した.エトレチナートの内服を開始し,皮疹および下肢浮腫は徐々に軽快した.その後,紅斑が再燃したためナローバンドUVBを併用し,徐々に紅斑は消退した.紅皮症や重症乾癬では炎症性サイトカインにより血管透過性が亢進し浮腫を伴うことが知られており,毛孔性紅色粃糠疹でも同様の機序により,自験例のような著明な浮腫が起こる可能性を考えた.
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