Japanese
English
症例報告
アロプリノールによる中毒性表皮壊死症の1例
A case of toxic epidermal necrolysis induced by allopurinol
大竹 ひかり
1
,
藤田 真文
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
大日 輝記
1
,
椛島 健治
1
,
宮地 良樹
1
,
石川 牧子
2
Hikari OTAKE
1
,
Mafumi FUJITA
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Teruki DAINICHI
1
,
Kenji KABASHIMA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Makiko ISHIKAWA
2
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科
2京都桂病院皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Division of Dermatology, Kyoto Katsura Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
アロプリノール
,
オキシプリノール
,
中毒性表皮壊死症
,
HLA-B*5801
Keyword:
アロプリノール
,
オキシプリノール
,
中毒性表皮壊死症
,
HLA-B*5801
pp.633-637
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204517
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要約 65歳,女性.高尿酸血症に対して3か月前からアロプリノール(ザイロリック®)内服中.2014年1月初めより大腿部の紅斑,口内炎,微熱が出現した.3日後,下腿紫斑,発熱,腎機能低下が出現し,15日後,38℃発熱と全身性水疱が出現して当科へ転院した.体表面積70%以上に表皮剝離があり中毒性表皮壊死症と診断した.ステロイドパルス療法,血漿交換療法,大量免疫グロブリン静注療法で救命しえた.経過中,HHV-6の再活性化を伴った.薬剤添加リンパ球刺激試験では,アロプリノールの代謝産物であるオキシプリノールが陽性であった.オキシプリノールは半減期が長く,特に自験例のように腎障害がある場合は長時間体内に存在し,副作用を起こしやすい.また,自験例はアロプリノールによる重症薬疹と関連性のあるHLA-B*5801が陽性であり重症薬疹を起こしやすい背景があったと考えられた.
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