Japanese
English
症例報告
ハイドロキシウレア投与患者に生じた踵部潰瘍の1例
A case of heel ulcer caused by hydroxyurea
落合 咲和子
1
,
山口 礼門
1
,
藤井 俊樹
1
,
金原 拓郎
2
,
清水 晶
1
Sawako OCHIAI
1
,
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Toshiki FUJII
1
,
Takuro KIMBARA
2
,
Akira SHIMIZU
1
1金沢医科大学皮膚科学講座
2金原皮膚科医院
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Ishikawa, Japan
2Kimbara Dermatology Clinic, Ishikawa, Japan
キーワード:
ハイドロキシウレア
,
皮膚潰瘍
,
本態性血小板血症
Keyword:
ハイドロキシウレア
,
皮膚潰瘍
,
本態性血小板血症
pp.483-487
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207336
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要約 72歳,男性.本態性血小板血症のためハイドロキシウレア(HU)内服中であった.内服開始2年後より左踵部,右内踝に有痛性皮膚潰瘍が出現した.抗菌薬内服・外用治療を行ったが難治であり,当科を紹介され受診した.採血,下肢動脈・静脈エコーで異常はなく,糖尿病,膠原病,血管炎,血栓症などは否定的であった.病理組織学的にリンパ管拡張と線維化があり,血管壁の変性,内皮細胞の腫大はあるが,血管炎を疑う所見はなかった.HUによる皮膚潰瘍と診断し,同薬剤を中止のうえ弾性包帯を使用したところ,潰瘍は3か月後に上皮化した.HUによる潰瘍は有痛性であり外踝,踵部に好発する.治療はHU中止であるが潰瘍の発症および増悪因子にうっ滞が挙げられることからうっ滞の早期改善に介入することも重要である.潰瘍部から悪性腫瘍を生じる例もあり注意を要する.HUは血液疾患に対する重要な薬剤であり,足部の難治性潰瘍の鑑別で考慮する必要がある.
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