Japanese
English
症例報告
ミノサイクリン塩酸塩が誘因と考えられたWells症候群の1例
A case of Wells'syndrome possibly induced by minocycline hydrochloride
澤田 匡秀
1
,
栁澤 健二
1
,
加賀谷 真起子
1
,
高橋 博之
1
,
三浦 貴子
2
Masahide SAWADA
1
,
Kenji YANAGISAWA
1
,
Makiko KAGAYA
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
1
,
Takako MIURA
2
1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科
2三浦俊祐貴子皮膚科
1Department of Dermatology, Sapporo-Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
2Mirura Shunsuke-Takako Dermatology Clinic, Sapporo, Japan
キーワード:
Wells症候群
,
ミノサイクリン塩酸塩
,
flame figure
Keyword:
Wells症候群
,
ミノサイクリン塩酸塩
,
flame figure
pp.19-22
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204964
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要約 34歳,女性.初診2週間前に鼠径部毛包炎に対して近医よりミノサイクリン塩酸塩の投薬を受けた後,項部に比較的境界明瞭な連圏状の有痛性浮腫性紫紅色斑が出現した.ステロイド外用,抗ヒスタミン薬内服治療したが増悪したために前医より当科に紹介された.皮疹と経過より固定薬疹を疑いプレドニゾロン20mg/日内服し軽快したが,内服中止後皮疹が再燃した.病理組織学的には表皮にメラニン色素の増生以外著変なく,真皮上層にメラノファージと好酸球主体の炎症細胞浸潤およびflame figureを認めたためWells症候群と診断し,プレドニゾロンを再投与した後,漸減しながら経過観察している.Wells症候群の一誘因として薬剤が報告されているが,薬剤中止後も再燃を繰り返すことからアレルゲンとして作用するよりは発症の引き金としての役割を担っている可能性が考えられた.
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