Japanese
English
症例報告
インフリキシマブによる治療経過中に持続性の強いめまいを生じた関節症性乾癬の1例
A case of psoriatic arthritis, showing continuous severe dizziness during the treatment with infliximab
村上 克彦
1
,
國行 秀一
1
,
田口 麻莉
1
,
前川 直輝
1
Katsuhiko MURAKAMI
1
,
Shuichi KUNIYUKI
1
,
Mari TAGUCHI
1
,
Naoki MAEKAWA
1
1大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka City General Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
インフリキシマブ
,
めまい
,
乾癬
,
抗TNF-α製剤
Keyword:
インフリキシマブ
,
めまい
,
乾癬
,
抗TNF-α製剤
pp.407-411
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204788
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要約 33歳,女性.20歳頃から軀幹,四肢に角化性紅斑が出現し,近医皮膚科にて尋常性乾癬の診断のもと,ステロイド,ビタミンD3軟膏外用による治療を受けていた.初診の1か月前から,手足の発赤腫脹,疼痛が出現したため,当科を紹介受診した.関節症性乾癬と診断し,インフリキシマブ(IFX)による治療を開始した.IFX 5回投与後から中等度の持続性めまいが発生し,外出困難となった.IFX 7回投与後にアダリムマブの皮下注射に変更したが,めまい・気分不良は持続したため,投与を中断し,ベタヒスチンメシル酸塩・エチゾラム・パロキセチン塩酸塩の内服により,中止2か月後にめまいなどの症状は寛解した.シクロスポリン内服療法に変更後,現在まで約3年間,めまい症状の再燃はみられない.抗TNF-α製剤の投与中に持続性のめまいが生じた場合,薬剤性の可能性も考慮する必要があると考えられた.
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