Japanese
English
症例報告
1型糖尿病患者に生じた後天性反応性穿孔性膠原線維症の1例
A case of acquired reactive perforating collagenosis in a patient with type 1 diabetes mellitus
小野 蘭
1
,
高橋 奈々子
1
,
渡辺 秀晃
1
,
末木 博彦
1
Ran ONO
1
,
Nanako TAKAHASHI
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
後天性反応性穿孔性膠原線維症
,
acquired reactive perforating collagenosis
,
1型糖尿病
,
matrix metalloproteinase-9
Keyword:
後天性反応性穿孔性膠原線維症
,
acquired reactive perforating collagenosis
,
1型糖尿病
,
matrix metalloproteinase-9
pp.961-965
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204923
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 34歳,女性.3歳時1型糖尿病を発症.HbA1c 10%と高値であり,2年前に当院糖尿病内科でインスリンポンプを導入した.その後HbA1c 7.0%と血糖コントロールは良好であった.当科初診2週間前より瘙痒感と皮疹を自覚した.初診時,上肢・軀幹に中央に痂皮を付着する紅色丘疹が多発・散在していた.病理組織学的に膠原線維の変性と経表皮排泄像が認められた.Matrix metalloproteinase-9の免疫染色では,主に真皮の間質細胞,炎症性細胞,排泄された膠原線維に一致して陽性所見がみられたが,穿孔部の表皮細胞も一部で陽性を示した.以上の所見より,後天性反応性穿孔性膠原線維症と診断した.妊娠を希望しており,クロベタゾールプロピオン酸エステル外用療法のみで加療した.本症の発症には,瘙痒による搔破と病歴の長い糖尿病に起因するadvanced glycation end productsの蓄積が関与していると推察された.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.