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症例報告
ABCB6遺伝子にミスセンス変異を同定した遺伝性汎発性色素異常症の1家系
A family of dyschromatosis universalis hereditaria with a missense mutation in the ABCB6 gene
白水 舞
1,3
,
安井 由紀
2
,
下村 裕
3
Mai SHIROZU
1,3
,
Yuki YASUI
2
,
Yutaka SHIMOMURA
3
1下関市立市民病院皮膚科
2長府えきまえ皮ふ科
3山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Shimonoseki City Hospital, Shimonoseki, Japan
2Chofu Ekimae Clinic, Shimonoseki, Japan
3Department of Dermatology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Ube, Japan
キーワード:
遺伝性汎発性色素異常症
,
遺伝性体側性色素異常症
,
ABCB6遺伝子
,
ミスセンス変異
Keyword:
遺伝性汎発性色素異常症
,
遺伝性体側性色素異常症
,
ABCB6遺伝子
,
ミスセンス変異
pp.131-136
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207203
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要約 36歳女性とその子供の11歳男児.母親は幼少時より上肢伸側に淡褐色の小色素斑の散在を認めていた.診察時,顔面,両四肢,足背,手背に雀卵斑様色素斑が散見された.一方で,体幹の皮疹はみられなかった.息子は1歳半頃から色素斑が出現.全身の皮膚に小色素斑と脱色素斑の散在を認めた.家族歴より常染色体顕性(優性)遺伝が強く示唆された.2名の患者のゲノムDNAを用いて遺伝子検査を行った結果,遺伝性対側性色素異常症の原因遺伝子であるADAR1遺伝子には異常を認めなかったが,ABCB6遺伝子に既知のミスセンス変異(c. 1358C>T;p. Ala453Val)がヘテロ接合型で同定され,遺伝性汎発性色素異常症と確定診断した.親子ともに同じ遺伝子型だったが,息子のほうがより症状が顕著であり,同一家系内でも重症度に差異があった.表現型については環境因子や何らかの修飾遺伝子が関連している可能性があり,今後の症例の蓄積が待たれる.
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