Japanese
English
症例報告
多彩な皮疹を呈し尋常性乾癬として加療されていた落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus foliaceus presenting various skin lesions
熊谷 宜子
1
,
中村 善雄
1
,
大方 詩子
1
,
藤尾 由美
1
,
佐藤 佐由里
2
,
齋藤 昌孝
1
,
天谷 雅行
1
,
山上 淳
1
Yoshiko KUMAGAI
1
,
Yoshio NAKAMURA
1
,
Utako OKATA
1
,
Yumi FUJIO
1
,
Sayuri SATO
2
,
Masataka SAITO
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Jun YAMAGAMI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
2山王病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Sanno Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
ステロイドパルス療法
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
血漿交換
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
ステロイドパルス療法
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
血漿交換
pp.949-954
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204921
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要約 73歳,男性.当科初診の半年前から全身に皮疹が出現し,近医で尋常性乾癬と診断され,シクロスポリン,エトレチナート内服,ステロイド外用で加療されていたが,改善せず前医を受診し,当科へ紹介された.初診時,顔面の脂漏部位と体幹を中心に厚い鱗屑が付着する紅斑が多発し,一部でびらん,浮腫性紅斑,膿疱を伴っていた.病理組織像で表皮浅層に裂隙形成と棘融解を認めた.直接蛍光抗体法では表皮細胞間にIgGが沈着し,血清中から抗デスモグレイン1抗体が検出され,落葉状天疱瘡と診断した.入院時には紅皮症化し,ステロイド内服治療に抵抗性であったが,ステロイドパルス療法,血漿交換,免疫グロブリン大量静注療法の併用によって病勢を制御できた.落葉状天疱瘡は多彩な皮疹を呈し,初診時に診断が困難なこともある.病理組織学的,免疫学的に診断を確定して早期に治療を開始することが重要である.
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