Japanese
English
症例報告
味噌醸造を家業とする兄弟に発症した麹菌アレルギーの2例
Two cases of Aspergillus oryzae allergy in two sibling workers of soybean paste
福田 佳奈子
1
,
足立 厚子
1
,
指宿 千恵子
1
,
白井 成鎬
1
,
佐々木 祥人
1
Kanako FUKUDA
1
,
Atsuko ADACHI
1
,
Chieko IBUSUKI
1
,
Seiko SHIRAI
1
,
Yoshihito SASAKI
1
1兵庫県立加古川医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Hyogo Prefectural Kakogawa Medical Center, Kakogawa, Japan
キーワード:
麹菌
,
味噌
,
醸造
,
即時型アレルギー
,
補体低下
Keyword:
麹菌
,
味噌
,
醸造
,
即時型アレルギー
,
補体低下
pp.751-755
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204875
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要約 患者は味噌醸造家に育った兄弟である.症例1:32歳,男性(兄).中学時より麹吸入時呼吸困難を繰り返していた.症例2:22歳,男性(弟).小児期から手足の腫脹,腹痛,下痢,嘔吐を繰り返し,麹吸入時の呼吸困難に加え,成人後,摂食後2時間後に腹痛・嘔吐があった.2症例ともに自家製の麹,麹菌,味噌のプリックテストが強陽性であった.アスペルギルス特異IgE(Immuno-cap)は,症例1クラス1,症例2クラス0であった.症例2は血清補体価CH50およびC4が著明に低値であった.症例1は麹菌に対する即時型機序,症例2は補体が関与する機序を考えた.麹菌に対するアレルギーの報告は,味噌醸造を家業とする職業性が多い.麹菌(Aspergillus oryzae)特異IgEは通常測定できず,交叉性のあるAspergillus fumigatus特異IgEで代用診断される.麹菌が産生するαアミラーゼ特異IgEは自験2例では陰性であったが,病態への関与を否定するものではない.
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