9．食物アレルギー診断のための食物経口負荷試験

食物アレルギーは食物による不利益な反応のなかで毒性物質による反応と非免疫学的反応を除いたものと考えられ，通常は（狭義には）IgE依存性の即時型アレルギーを意味する．経口食物負荷試験（OFC）はその確定診断，その後の耐性獲得の診断において最も重要な検査である．しかしながら，ときに重篤な誘発症状を示すことがあり，施行にあたっては医療者・患者および患者家族の十分な理解が必要である．そのためにも，ある程度標準化された診療が望ましく，食物アレルギー診療ガイドライン，食物アレルギーの診療の手引き等においてOFCについても詳細に記載されている．本稿ではOFCについて標準的に行われている診療を意識して概説したい．