Japanese
English
原著
コチニール色素による即時型アレルギー患者におけるアレルギー検査の分析およびアレルゲン蛋白質の解析
Analysis of allergy test and identification of allergen in anaphylaxy patients due to cochineal extract
山川 有子
1,2
,
大砂 博之
3,4
,
相原 道子
4
,
池澤 善郎
4,5
Yuko YAMAKAWA
1,2
,
Hiroyuki OSUNA
3,4
,
Michiko AIHARA
4
,
Zenro IKEZAWA
4,5
1山川皮ふ科
2横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科
3ひろクリニック
4横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科
5国際医療福祉大学附属熱海病院皮膚科
1Yamakawa Dermatology Clinic,Yokohama,Japan
2Department of Dermatology,Yokohama City University Medical Center,Yokohama,Japan
3Hiro Clinic,Kashiwa,Japan
4Department of Environmental Immunodermatology,Yokohama City University Graduate School of Medicine,Yokohama,Japan
5Department of Dermatology,International University of Health and Welfare,Atami Hospital,Atami,Japan
キーワード:
コチニール色素
,
カルミン酸色素
,
即時型アレルギー
,
アレルゲン解析
Keyword:
コチニール色素
,
カルミン酸色素
,
即時型アレルギー
,
アレルゲン解析
pp.8-13
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103141
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要約 コチニール色素は,カイガラムシ科エンジムシの一種であるコチニールの雌を乾燥したものから抽出される食用天然赤色色素である.コチニール色素摂取後,顔面の紅斑腫脹,蕁麻疹,粘膜症状などを呈した即時型アレルギー患者4名の原因アレルゲンを同定するために以下を施行した.皮膚プリックテストは患者4名ともコチニール色素で陽性であったが,コチニール色素から不純蛋白を除去した精製カルミン酸色素では陰性化または減弱化した.血清特異的IgEは患者2名でコチニール色素で高値であったが,精製カルミン酸色素では陰性であった.ウェスタンブロッティング法では,患者3名にコチニール色素に含まれる約39~45kDaの蛋白に対するIgEを認めた.以上から,コチニール色素による即時型アレルギー患者は,コチニール色素に含まれる不純蛋白質に対する抗体を持ち,コチニール色素のアレルゲンは約39~45kDaの蛋白であることが強く示唆された.
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