Japanese
English
症例報告
治療に難渋した抗BP180型粘膜類天疱瘡の1例
A case of refractory anti-BP180 mucous membrane pemphigoid
小野寺 信江
1
,
水芦 政人
1
,
萩原 彰子
1
,
加賀谷 早織
1
,
沼田 郁子
1
,
菊地 克子
1
,
相場 節也
1
,
古賀 浩嗣
2
,
橋本 隆
2
Nobue ONODERA
1
,
Masato MIZUASHI
1
,
Akiko HAGIWARA
1
,
Saori KAGATANI
1
,
Ikuko NUMATA
1
,
Katsuko KIKUCHI
1
,
Setsuya AIBA
1
,
Hiroshi KOGA
2
,
Takashi HASHIMOTO
2
1東北大学医学部皮膚科学教室
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
2Depertment of Dermatology Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
抗BP180型粘膜類天疱瘡
,
二重膜濾過血漿交換療法
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
シクロスポリン含嗽
Keyword:
抗BP180型粘膜類天疱瘡
,
二重膜濾過血漿交換療法
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
シクロスポリン含嗽
pp.827-830
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204565
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要約 68歳,男性.2011年4月頃より口腔内にびらんが出現し,顔面や下肢にも時々水疱が出現するようになった.蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にIgG,IgAの沈着を認め,1M食塩水剝離ヒト皮膚を用いた蛍光抗体間接法ではIgAが表皮側に陽性であった.免疫ブロット法ではBP180C末端部位および120kDa LAD-1にIgG,IgAともに反応を示した.プレドニゾロンなどの内服では症状の改善がみられず,二重膜濾過血漿交換療法やシクロスポリン含嗽,γグロブリン大量療法を施行した.経過中に胸腰椎多発圧迫骨折,サイトメガロウイルス腸炎などを発症したためステロイドを漸減し,ジアフェニルスルホンを併用した.抗BP180型粘膜類天疱瘡のうち,IgG,IgAの両抗体を有するBP180/LAD-1のタイプは重症であるとの報告があることから,自験例は治療抵抗性を示したと考える.
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