症例
抗LAD-1 抗体が検出された粘膜類天疱瘡の1例
白川 典子
1
,
船坂 陽子
1
,
上野 孝
1
,
江崎 英子
1
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
2
,
佐伯 秀久
1
1日本医科大学,皮膚科学教室(主任:佐伯秀久教授)
2久留米大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
抗BP180型粘膜類天疱瘡
,
抗LAD‒1抗体
Keyword:
抗BP180型粘膜類天疱瘡
,
抗LAD‒1抗体
pp.1145-1148
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000085
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59歳,男性。4年前に手掌,腹部に水疱が出現。近医を受診し,びらん部の培養でA群溶血性連鎖球菌が検出されたため伝染性膿痂疹と診断され,抗菌薬内服で改善した。しかしその後も頭部や顔面にびらん,痂皮を繰り返し生じ,当科を受診した。口腔粘膜全体および肛門周囲にもびらんがあった。頭部の皮疹から生検し,HE 染色では表皮下水疱,蛍光抗体直接法では表皮真皮境界部にIgAの線状沈着,1M食塩水剝離皮膚を用いた蛍光抗体間接法では表皮側にIgAの線状沈着がみられた。濃縮HaCaT細胞上清を用いた免疫ブロット法では120kDa LAD‒1に対するIgAが陽性だった。血清学的には線状IgA水疱症が考えられたが,粘膜病変主体の臨床所見から粘膜類天疱瘡と診断した。
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