Japanese
English
症例報告
サイトメガロウイルス食道炎を併発した高齢の落葉状天疱瘡の1例
An elderly case of pemphigus foliaceus who developed cytomegalovirus esophagitis
福島 彩乃
1
,
森本 亜里
1
,
山上 淳
1
,
谷川 瑛子
1
,
大森 泰
2
,
林 雄一郎
3
,
天谷 雅行
1
Ayano FUKUSHIMA
1
,
Ari MORIMOTO
1
,
Jun YAMAGAMI
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Tai OMORI
2
,
Yuichiro HAYASHI
3
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部内視鏡センター
3慶應義塾大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Keio University, School of Medicine, Tokyo, Japan
2Endoscopy Center, Keio University, School of Medicine, Tokyo, Japan
3Department of Pathology, Keio University, School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
サイトメガロウイルス食道炎
,
高齢者
,
尋常性天疱瘡
,
内視鏡
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
サイトメガロウイルス食道炎
,
高齢者
,
尋常性天疱瘡
,
内視鏡
pp.821-826
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204564
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要約 79歳,男性.前医で落葉状天疱瘡と診断され,難治のため当科を紹介された.プレドニゾロン50mg/日とアザチオプリン100mg/日の内服,ステロイドパルス療法,血漿交換を行い病勢を制御した.その後,嚥下痛,胸痛,汎血球減少が出現し,経口摂取不能になった.内視鏡所見では食道粘膜全周に白苔を付すびらんが多発し,感染性食道炎や尋常性天疱瘡への移行による粘膜病変が考えられたが,内視鏡肉眼的所見のみでは鑑別が困難であった.血液検査でサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)アンチゲネミアが陽性化し,生検標本の免疫染色でCMV陽性細胞を認め,CMV食道炎と診断した.特に高齢の自己免疫疾患の治療に伴う免疫不全患者で嚥下痛をみた場合,CMV食道炎を疑う必要がある.水疱症と鑑別し,重篤化を防ぐために早期の内視鏡検査,病理組織検査と免疫染色による精査が重要である.
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