Japanese
English
症例報告
ステロイドとロキシスロマイシンを併用した好中球性皮膚症の1例
A case of neutrophilic dermatosis treated with corticosteroid and roxithromycin
安見 真希
1
,
和田 誠
1
,
金久 史尚
1
,
貫野 賢
1
,
浅井 純
1
,
花田 圭司
1
,
加藤 則人
1
Maki YASUMI
1
,
Makoto WADA
1
,
Fuminao KANEHISA
1
,
Satoshi KANNO
1
,
Jun ASAI
1
,
Keiji HANADA
1
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine Graduate School of Medical Science, Kyoto, Japan
キーワード:
好中球性皮膚症
,
角層下膿疱症
,
ロキシスロマイシン
,
ステロイド
Keyword:
好中球性皮膚症
,
角層下膿疱症
,
ロキシスロマイシン
,
ステロイド
pp.816-820
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204563
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要約 64歳,女性.頸部リンパ節炎の精査中であった2009年10月中頃より,左下腿および両手掌から手背にかけて自覚症状を伴わない紅斑が出現した.徐々に同部位に膿疱が出現したため,2009年11月初旬に当科を受診した.病理組織学的に角層下膿疱と表皮の海綿状態を認め,真皮上層から皮下組織にかけて好中球を中心とした炎症細胞浸潤を認めた.蛍光抗体直接法で免疫グロブリンと補体の沈着は認めなかった.ステロイド外用でいったん軽快したが,2010年2月から4月にかけて皮疹の再燃と軽快を繰り返した.末梢血中好中球の増多とともに,皮疹が増悪していたが,ロキシスロマイシンの内服を開始したところ皮疹の再燃はなくなった.ロキシスロマイシンの抗炎症作用は近年注目されているが,好中球性皮膚症に対してはロキシスロマイシンの使用例の報告は少ない.ロキシスロマイシンの併用が好中球性皮膚症に対して有効な治療法の1つと考えられた.
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