Japanese
English
症例報告
集学的治療により3年間再発を認めていないstage ⅣのMerkel細胞癌の1例
A case of patient with long-term disease free in far advanced Merkel cell carcinoma that responded to multidisciplinary therapy
森本 彩
1
,
和田 誠
1
,
田嶋 佐妃
1
,
浅井 純
1
,
花田 圭司
1
,
竹中 秀也
1
,
加藤 則人
1
Aya MORIMOTO
1
,
Makoto WADA
1
,
Saki TASHIMA
1
,
Jun ASAI
1
,
Keiji HANADA
1
,
Hideya TAKENAKA
1
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
肝転移
,
化学療法
,
PET-CT
Keyword:
Merkel細胞癌
,
肝転移
,
化学療法
,
PET-CT
pp.51-55
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103866
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要約 77歳,女性.2007年11月頃より右第III指背側に常色の小結節が出現し,2008年10月頃より赤色調となり増大傾向を示した.11月近医初診時には,19×16mmの隆起した淡紅色結節があり,中央に11×11mm大の皮膚潰瘍を認めた.皮膚生検を受けMerkel細胞癌と診断された.血中NSE値の上昇は認めなかった.さらにPET-CT検査で肝S4領域に腫瘍が認められた.2009年1月に皮膚悪性腫瘍切除術および外科にて肝腫瘍切除術が行われた.病理組織学的所見ではいずれも小型の類円系の腫瘍細胞が増生していた.腫瘍細胞の免疫染色は,皮膚ではシナプトフィシン,CD56,AE1/AE3,CK20,CAM5.2が陽性であり,肝ではシナプトフィシン,CD56,CK20,CAM5.2,クロモグラニン,ニューロフィラメントが陽性であった.肝腫瘍はMerkel細胞癌の転移であったため,AJCC 2009の分類で,T1N0M1,stage Ⅳであった.術後,EP療法(エトポシド,シスプラチン併用療法)を3クール施行した.初診から4年経過しているが,再発や新たな転移を認めていない.遠隔転移がある程度限局し病状の進行が緩徐である場合は,転移巣の外科的切除とアジュバント療法としての化学療法による集学的治療が有効であると考えた.
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