Japanese
English
症例報告
ロキシスロマイシン内服が奏効したWells症候群の1例
A case of Wells' syndrome successfully treated with roxithromycin
三井田 博
1
,
土屋 和夫
1
,
伊藤 雅章
1
,
竹之内 辰也
2
Hiroshi MIIDA
1
,
Kazuo TSUCHIYA
1
,
Masaaki ITO
1
,
Tatsuya TAKENOUCHI
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
2新潟県立がんセンター皮膚科
1Division of Dermatology,Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences
2Division of Dermatology,Niigata Cancer Center Hospital
キーワード:
Wells症候群
,
eosinophilic cellulitis
,
flame figure
,
ロキシスロマイシン
Keyword:
Wells症候群
,
eosinophilic cellulitis
,
flame figure
,
ロキシスロマイシン
pp.849-852
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100242
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要約
65歳,男性.四肢,体幹に紅色丘疹が出現し,次第に水疱・痂皮を伴う浸潤性紅斑となり全身に拡大した.病理組織所見では真皮全層に血管,付属器周囲を中心に多数の好酸球の浸潤を認め,典型的なflame figureの像も散見された.ステロイド内服に同意が得られず,塩酸ミノサイクリン,DDSを投与したが,いずれも無効であった.次いでロキシスロマイシン300mg/日の内服を開始したところ,皮疹は軽度の浸潤は残ったがすべて色素沈着となった.マクロライド系薬剤は抗菌以外にもさまざまな作用をもつことが研究・報告され,近年,本症をはじめとする好酸球浸潤を伴う皮膚疾患に対するロキシスロマイシンの有効性が報告がされている.同薬剤は比較的副作用も少ないことから,Wells症候群に対してステロイドを全身投与する前にまず試みる価値のある薬剤と考えられた.
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