Japanese
English
症例報告
切除範囲の決定にマッピングバイオプシーを用いた鼻部基底細胞癌の1例
A case of basal cell carcinoma on the nose with the use of mapping biopsy in determination of surgical margin
若林 祐輔
1
,
貫野 賢
1
,
寺田 美奈子
1
,
小森 敏史
1
,
浅井 純
1
,
竹中 秀也
1
,
加藤 則人
1
,
森原 潔
2
Yusuke WAKABAYASHI
1
,
Satoshi KANNO
1
,
Minako TERADA
1
,
Satoshi KOMORI
1
,
Jun ASAI
1
,
Hideya TAKENAKA
1
,
Norito KATOH
1
,
Kiyoshi MORIHARA
2
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
2社会保険京都病院皮膚科
1Department of Dermatology,Graduate School of Medical Science,Kyoto Prefectural University of Medicine,Kyoto,Japan
2Department of Dermatology,Social Insurance Kyoto Hospital,Kyoto,Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
無色素性
,
切除範囲
,
マッピングバイオプシー
,
ダーモスコピー
Keyword:
基底細胞癌
,
無色素性
,
切除範囲
,
マッピングバイオプシー
,
ダーモスコピー
pp.1075-1078
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103125
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要約 81歳,男性.右鼻翼部の米粒大黒色結節を主訴に受診した.前医の皮膚生検の結果は,基底細胞癌であった.ダーモスコピーでは黒色結節周囲に樹枝状血管拡張や白色局面などの所見が観察された.当初,結節部より5mmのマージンをとって切除したが断端陽性であった.再度手術を施行したが,切除断端の陽性を繰り返し,最終的に切除範囲の同定にマッピングバイオプシーを用い,計6回の手術を要した.本症例のように,日本人においても基底細胞癌はまれに無~低色素性に病変を形成し,黒色結節の周囲に広範囲の無~低色素性病変を形成する症例では,境界が不明瞭なため切除範囲の決定に苦慮することがある.マッピングバイオプシーはこのような症例において,有効な手段の1つであると考えた.
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