Japanese
English
症例報告
眼窩内に転移した頰部有棘細胞癌の1例
A case of cutaneous squamous cell carcinoma of the cheek metastasized to the orbit
大竹 ひかり
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
椛島 健治
1
Hikari OTAKE
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
有棘細胞癌
,
眼窩内転移
Keyword:
有棘細胞癌
,
眼窩内転移
pp.153-156
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204667
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要約 84歳,女性.1年以上前からあった右頰部の結節が徐々に増大したため生検を施行した.有棘細胞癌(squamous cell carcinoma:SCC)と診断し,全摘した.断端は陰性で,画像検査でもリンパ節転移,遠隔転移を認めなかった.2年後,右眼の疼痛を自覚し,画像検査で右眼窩内に腫瘍性病変を認めた.組織学的に右頰部と同様の腫瘍細胞が増殖し,SCCの眼窩内転移と診断した.本症例はstage Ⅰであったにもかかわらず遠隔転移をきたした.また,SCCの転移の多くは所属リンパ節に発生するが,本症例は最初から眼窩内に遠隔転移をきたした.その理由として,まず腫瘍細胞の一部が脂肪組織に至るまで深く浸潤しており,根治切除術を施行した際に所属リンパ節へのリンパ管が切断されて残存していた腫瘍が眼窩内へ逆行性に転移した可能性が考えられた.
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