Japanese
English
症例報告
皮膚症状が先行した多発血管炎性肉芽腫症の1例
A case of granulomatosis with polyangiitis preceded by cutaneous symptoms
金子 綾
1
,
上野 孝
1
,
伊藤 路子
1
,
大塚 洋平
1
,
林 宏紀
2
,
川名 誠司
1
Aya KANEKO
1
,
Takashi UENO
1
,
Michiko ITO
1
,
Yohei OTSUKA
1
,
Hiroki HAYASHI
2
,
Seiji KAWANA
1
1日本医科大学皮膚科
2日本医科大学呼吸器内科
1Department of Dermatology, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
2Department of Respiratory Medicine, Nippon Medical School, Tokyo Japan
キーワード:
多発血管炎性肉芽腫症
,
多発肺結節影
,
慢性副鼻腔炎
,
Wegener肉芽腫症
Keyword:
多発血管炎性肉芽腫症
,
多発肺結節影
,
慢性副鼻腔炎
,
Wegener肉芽腫症
pp.629-632
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204516
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要約 71歳,男性.原因不明の腎不全のため3年前から血液透析中であった.左手背,両下腿,足背に紫斑と皮膚潰瘍が生じた.その後,咳嗽が出現した.皮膚症状から血管炎を疑い生検した.皮膚病理組織所見は真皮乳頭層〜下層,脂肪隔壁の細静脈の壊死性血管炎と血栓性小静脈炎の所見であった.PR3-ANCAは245 EUと陽性であった.CTでは両肺野に多発する結節影と上顎洞に陰影を認めた.皮膚および呼吸器に病変があったため,限局型多発血管炎性肉芽腫症と診断した.プレドニゾロン30mg/日,シクロホスファミド50mg/日,ST合剤2錠/日を投与した.1週間後に皮膚症状は改善し,胸部CTで肺野の結節影が縮小,PR3-ANCAも低下した.皮膚症状で血管炎を疑った際には,早期の皮膚生検と,他臓器疾患の検索を並行して行うことが大切である.
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