Japanese
English
症例報告
アダリムマブ投与中の尋常性乾癬患者に出現した薬剤誘発性ループスの1例
A case of drug-induced lupus-like syndrome in a psoriasis patient treated with adalimumab
忍田 陽香
1
,
片山 宏賢
1
,
佐伯 秀久
2
,
本田 まりこ
1
Haruka OSHIDA
1
,
Hiroyasu KATAYAMA
1
,
Hidehisa SAEKI
2
,
Mariko HONDA
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター皮膚科
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Katsushika Medical Center of the Jikei University, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
薬剤誘発性ループス
,
乾癬
,
アダリムマブ
,
TNF阻害薬
Keyword:
薬剤誘発性ループス
,
乾癬
,
アダリムマブ
,
TNF阻害薬
pp.638-642
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204518
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要約 37歳,男性.23歳時に尋常性乾癬と診断され,外用で治療していた.35歳時,日光皮膚炎をきっかけに紅皮症となり,当院を受診した.シクロスポリン内服により改善したが,本人が生物学的製剤を希望したためアダリムマブ(ADA)による治療を開始した.PASI 1〜2と奏効していたが,投与32回目頃から乾癬の皮疹が悪化しはじめ,手指関節・膝関節痛が出現した.ADAの二次無効と判断し,37回目投与よりADA 80mg/回投与へ増量したが,皮疹や関節症状は改善しなかった.ADA投与前陰性であった抗核抗体が1,280倍,抗dsDNA抗体が39IU/mlと上昇し,関節症状と併せ薬剤誘発性ループスと考え,ADAを中止した.関節痛により一時歩行困難であったが,ADA中止後より徐々に改善していった.治療はADA中止から10週後ウステキヌマブへ変更し,15か月後に関節症状は消失した.自験例の関節痛,抗核抗体などの上昇は,TNF阻害薬による薬剤誘発性ループスと考えた.
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