Japanese
English
症例報告
タキサン系抗癌剤が奏効した進行期乳房外Paget病の1例
A case of advanced extramammary Paget's disease successfully treated with taxane regimen
臼居 駿也
1
,
藤澤 章弘
1
,
劉 祐里
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
谷岡 未樹
1
,
大日 輝記
1
,
十一 英子
2
,
宮地 良樹
3
,
椛島 健治
1
Shunya USUI
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Yuri RYU
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Teruki DAINICHI
1
,
Eiko TOICHI
2
,
Yoshiki MIYACHI
3
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科
2京都医療センター皮膚科
3滋賀県立成人病センター
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Department of Dermatology, National Hospital Organization Kyoto Medical Center, Kyoto, Japan
3Shiga Medical Center for Adults, Shiga, Japan
キーワード:
進行期乳房外Paget病
,
タキサン系
,
ドセタキセル
,
パクリタキセル
Keyword:
進行期乳房外Paget病
,
タキサン系
,
ドセタキセル
,
パクリタキセル
pp.607-611
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204838
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要約 進行期乳房外Paget病はきわめて予後の悪い疾患であるが,エビデンスのある化学療法レジメンはまだない.進行期乳房外Paget病に対して,タキサン系抗癌剤を用い,長期間寛解を維持している症例を経験した.患者は68歳,女性.外陰部のびらんと下腹部の紅斑・潰瘍を主訴に受診し,病理組織検査で,乳房外Paget病と診断された.右腋窩に遠隔リンパ節転移を認めた.ドセタキセル75mg/m2の4週毎投与を開始し,1か月後に紅斑と潰瘍は消退した.画像検索でリンパ節の縮小・消退を確認し,Response Evaluation Criteria in Solid Tumorsの基準でpartial responseとなった.13コース施行後,有害事象と想定される下腿浮腫のため,パクリタキセル175mg/m2の4週毎投与へ変更したが,その後は重篤な副作用を認めず,現在に至るまで合計27コース(約30か月)の間,寛解状態を維持している.タキサン系抗癌剤は進行期乳房外Paget病に対して,患者のQOLを維持しつつ,生存期間延長に寄与する可能性がある.
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