Japanese
English
症例報告
アロプリノールによる非典型薬剤性過敏症症候群の2例
Two cases of atypical drug-induced hypersensitivity syndrome due to allopurinol
大澤 研子
1
,
池澤 優子
1
,
松浦 みどり
1
,
相原 道子
2
Akiko OSAWA
1
,
Yuko IKEZAWA
1
,
Midori MATSUURA
1
,
Michiko AIHARA
2
1茅ヶ崎市立病院皮膚科
2横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Chigasaki Municipal Hospital, Chigasaki, Japan
2Department of Environmental Immuno-Dermatology, Yokohama City University Graduate School of Medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
アロプリノール
,
オキシプリノール
,
HLA-B*58:01
,
human herpesvirus 6(HHV-6)
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
アロプリノール
,
オキシプリノール
,
HLA-B*58:01
,
human herpesvirus 6(HHV-6)
pp.499-504
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104046
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要約 症例1:77歳,女性.アロプリノール内服開始27日後に,症例2:80歳,男性.同薬剤内服開始26日後に微熱と紅斑・丘疹が出現した.2例とも皮疹は一時軽快するも,高熱と肝腎機能障害を伴い再燃したため,ステロイド大量投与を行い症状は改善した.症例1では,陽性率の低いアロプリノールではなくその代謝産物であるオキシプリノールによる薬剤添加リンパ球刺激試験に陽性を示した.重症薬疹の発症には特定のHLAの関与が明らかになっており,アロプリノールではHLA-B*58:01が検出されている.同遺伝子マーカーは,これまでの報告では人種を越えた遺伝子マーカーであることが知られており,紅斑丘疹型の比較的軽症の薬疹においても高い検出率を示すとされている.自験例でも症例1で陽性を示した.両症例とも経過,臨床は特徴的であり,診断基準を満たしたが,HHV-6の再活性化を認めず,アロプリノールによる非典型薬剤性過敏症症候群と診断した.
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