Japanese
English
症例報告
外陰に生じた悪性黒色腫の1例
A case of vulva malignant melanoma
小川 万里依
1
,
佐藤 真美
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
馬場 長
2
,
宮地 良樹
1
Marie OGAWA
1
,
Mami SATO
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Tsukasa BABA
2
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科学分野
2京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Department of Gynecology and Obestetrics, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
外陰
,
KIT
,
粘膜
Keyword:
悪性黒色腫
,
外陰
,
KIT
,
粘膜
pp.135-139
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204304
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要約 66歳,女性.1年前より持続する外陰痛と出血を主訴に当院婦人科を受診した.右小陰唇に小指頭大の黒色腫瘤を認めた.病理組織所見では表皮から真皮深層までに,核に異型性をもち,メラニンを有する紡錘形の腫瘍細胞が増殖していた.センチネルリンパ節に転移を認めず,胸腹部CTでも遠隔転移はなかった.以上より,悪性黒色腫pT4bN0M0 stage Ⅱc(UICC第7版)と診断した.術後DAV-feron療法を6コース施行して1年が経過したが,再発や転移はない.外陰悪性黒色腫は初診時,進行した状態であることが多く,予後不良である.近年,悪性黒色腫に対してBRAFやKITの遺伝子変異を標的とした分子標的薬の奏効例が報告されている.外陰部を含む粘膜の悪性黒色腫は,他の病型と比較してKIT変異が多いとされている.自験例ではBRAF,KITともに変異を認めなかったが,今後同様の症例を蓄積することが重要と考えた.
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