Japanese
English
症例報告
中型の先天性色素性母斑上に生じた悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma arising in a medium size congenital melanocytic nevus
登谷 晶美
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
,
中溝 聡
2
,
丸田 直樹
2
,
中川 雄仁
2
Masami TOYA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Satosi NAKAMIZO
2
,
Naoki MARUTA
2
,
Yujin NAKAGAWA
2
1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科
2福井赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Division of Dermatology, Fukui Red Cross Hospital, Japan
キーワード:
中型
,
先天性色素性母斑
,
悪性黒色腫
Keyword:
中型
,
先天性色素性母斑
,
悪性黒色腫
pp.719-722
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103746
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要約 48歳,男性.出生時より右膝外側に50×30mmの褐色調を呈する先天性色素性母斑が存在していた.1年前より母斑辺縁に13×11mmの黒色結節が出現した.結節部のダーモスコピー所見では,一部にblue-whitish veilやirregular streaksが認められ悪性黒色腫を疑う所見を認めた.黒色結節部の切除生検を行った結果,異型メラノサイトが増殖しており,先天性色素性母斑上に生じた悪性黒色腫と診断した.Tumor thicknessは1.2mmであった.全身検索を行い遠隔転移なく,1cmマージンで拡大切除を行った.右鼠径部センチネルリンパ節生検の結果は陰性であった.以上より,表在拡大型悪性黒色腫pT2aN0(sn)M0,stage IBと最終診断した.術後補助療法としてフェロン療法(IFN-β 300万単位/日×5日局注)を3クール終了し現在も経過観察中である.自験例は中型の先天性色素性母斑から生じた悪性黒色腫と考えた.先天性母斑のもともと有している遺伝子変異に加えて,何らかの遺伝子変異が加わることで悪性黒色腫に変化する可能性が示唆された.
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