Japanese
English
今月の症例
妊婦の乳房に生じた悪性黒色腫の1例
A case of a pregnant woman with malignant melanoma on the breast
谷岡 未樹
1
,
鈴木 利栄子
1
,
岸川 智子
1
,
藤井 秀孝
1
,
立花 隆夫
1
,
宮地 良樹
1
Miki TANIOKA
1
,
Rieko SUZUKI
1
,
Tomoko KISHIKAWA
1
,
Hidetaka FUJII
1
,
Takao TACHIBANA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine
キーワード:
妊婦
,
悪性黒色腫
,
センチネルリンパ節
Keyword:
妊婦
,
悪性黒色腫
,
センチネルリンパ節
pp.861-864
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101338
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33歳,女性.初診時,第2子妊娠18週6日.3か月前頃より右乳房内側の黒色斑が急速に増大してきた.全摘生検の結果は表在拡大型悪性黒色腫(SSM:tumor thickness2.1mm,びらんなし)であったが,右腋窩より採取したセンチネルリンパ節生検では転移を認めた.そのため,化学療法に加えて,早急な拡大切除および右腋窩リンパ節郭清が必要と考えられた.児のintact survivalが期待できる妊娠30週頃まで待機すると母体の生命予後が悪くなることを患者および家族に十分説明し,同意を得た後に人工妊娠中絶を行った.画像検索等による全身検索では遠隔転移を認めなかったので,SSM(stageⅢ:pT3aN1M0,UICC1997,stageⅢA:pT3aN1aM0,AJCC/UICC2002)と診断した.局所の拡大切除,右腋窩リンパ節郭清を施行した後に,DAV-feron療法を6クール行った.術後1年経過した現在まで再発・転移を認めていない.
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