Japanese
English
症例報告
テモゾロミドを用いた放射線化学療法を施行した悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma treated with temozolomide-based chemoradiation therapy
加藤 陽一
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
加来 洋
1
,
藤澤 章弘
1
,
椛島 健治
1
Yoichi KATO
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Yo KAKU
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto University School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
脳転移
,
テモゾロミド
,
放射線
Keyword:
悪性黒色腫
,
脳転移
,
テモゾロミド
,
放射線
pp.431-435
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204795
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要約 36歳,男性.意識消失発作を主訴に前医を受診した.画像検査では左基底核に36mm大,左側頭葉に5mm大の腫瘤,左腋窩リンパ節腫大を認めた.左基底核と左腋窩から施行された生検病理組織像で悪性黒色腫の脳転移が疑われたため当科を紹介され受診した.初診時左拇指に15mm大の不整な黒色結節を認め,皮膚病理組織検査にて悪性黒色腫と診断した.脳転移巣に対する局所コントロール目的として,全脳照射に加え,経口アルキル化剤であるテモゾロミドを併用した.治療開始後左基底核転移巣は縮小傾向を示し,19mmとなった時点で定位放射線治療を追加した.悪性黒色腫脳転移に対する放射線治療とテモゾロミドの併用療法が生存期間を有意に延長するとの報告はあるが,自験例では全経過を通して治療に伴う明らかな副作用はなく約12か月という悪性黒色腫脳転移例としては比較的長い生存期間を得ることができた.
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