Japanese
English
症例報告
ミゾリビンパルス療法が有効であった若年女性の全身性エリテマトーデスの1例
A case of a young woman with systemic lupus erythematosus treated successfully with oral mizoribine pulse therapy
野村 尚志
1
,
江上 将平
1
,
笠井 弘子
1
,
森 真理子
1
,
横山 知明
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Hisashi NOMURA
1
,
Shohei EGAMI
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Mariko MORI
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
ミゾリビンパルス療法
,
全身性エリテマトーデス
Keyword:
ミゾリビンパルス療法
,
全身性エリテマトーデス
pp.52-56
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204279
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要約 23歳,女性.初診4か月前より腹痛,倦怠感,関節痛,発熱が出現し,その後,両頰部,上腕外側に皮疹が生じ受診した.両頰部と両上腕外側に多発する拇指頭大までの浮腫性紅斑,紅色丘疹を認めた.日光過敏,関節症状に加え,補体低値,抗核抗体陽性(homogenous pattern),抗ds-DNA抗体陽性,抗Sm抗体陽性,蛋白尿1.25g/日を認め,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)と診断した.プレドニゾロン(PSL)30mg/日とミゾリビン(MZR)100〜150mg/日の併用投与後も,補体低値,血沈亢進,尿蛋白が持続したが,MZRパルス療法(500mg/回・朝食前内服・週2回内服)を開始したところ,補体と血沈は速やかに正常化し蛋白尿も消失した.その後も再燃はなくPSL 5mg/日まで漸減可能であった.MZRパルス療法は最大血中濃度を上昇させる大量間欠投与法で,ループス腎炎・関節リウマチにおいて著効例が報告されている.自験例においても血中濃度の上昇と臨床的な改善が得られ,SLEに有効な治療法であることが示唆された.
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