Japanese
English
症例報告
抗セントロメア抗体陽性であったびまん浸潤型サルコイドーシス(lupus pernio)の1例
A case of lupus pernio with positive anticentromere antibodies
野村 尚志
1
,
江上 将平
1
,
笠井 弘子
1
,
森 真理子
1
,
横山 知明
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Hisashi NOMURA
1
,
Shohei EGAMI
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Mariko MORI
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Department of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan.
キーワード:
びまん浸潤型
,
サルコイドーシス
,
lupus pernio
,
抗セントロメア抗体
,
強皮症
Keyword:
びまん浸潤型
,
サルコイドーシス
,
lupus pernio
,
抗セントロメア抗体
,
強皮症
pp.791-795
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104124
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要約 54歳,女性.初診8年前より手指に凍瘡様皮疹が出現し,近医にて抗核抗体高値を指摘された.皮疹は季節的変化を認めずに徐々に拡大し,当科を受診した.軽度浸潤を触れ,びまん性に分布する紫紅色斑を手指・手背に認めた.抗セントロメア抗体陽性.Raynaud症状なし.手背皮膚の病理組織像は真皮に島状の集塊をなす非乾酪性肉芽腫であった.胸部X線・CTにて両肺門部リンパ節腫脹を認めた.呼吸機能検査にて閉塞性障害があり,気管支鏡検査を施行したところ気管支壁に多数の白色扁平隆起性病変を認めた.同部位の病理組織像は皮膚と同様の非乾酪性肉芽腫であり,抗セントロメア抗体陽性のびまん浸潤型サルコイドーシス(lupus pernio)と診断した.発症から9年経過し強皮症への移行は認めていない.しかしサルコイドーシスは20年以上の長期経過後に強皮症へ移行する可能性があること,びまん浸潤型では呼吸器病変の合併が多いことに留意し,慎重に経過を追う必要がある.
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