Japanese
English
症例報告
CK20染色が診断に有用であった脂腺母斑に合併した毛芽腫の1例
A case of nevus sebaceous with trichoblastoma, in which CK 20 immunostaining was useful for diagnosis
江上 将平
1
,
野村 尚志
1
,
笠井 弘子
1
,
横山 知明
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Shohei EGAMI
1
,
Hisashi NOMURA
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
脂腺母斑
,
基底細胞癌
,
毛芽腫
,
CK20染色
Keyword:
脂腺母斑
,
基底細胞癌
,
毛芽腫
,
CK20染色
pp.1049-1053
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200056
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要約 72歳,男性.幼少時より認める後頭部の常色隆起性局面内に黒色斑の新生を指摘され当院を受診した.臨床像より脂腺母斑上に生じた基底細胞癌を疑い全切除した.病理組織像にて表皮より連続する基底細胞様細胞から構成される腫瘍胞巣を認め,表在型の基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)を疑わせたが,一部で毛芽様構造を認め,CK20が陽性であったことから毛芽腫と診断した.脂腺母斑は二次的にBCCを主とする種々の悪性腫瘍が発生すると報告されていたが,近年の病理組織像検討では過去に報告された続発性のBCCの多くは毛芽腫であったと結論づけられている.BCCとの鑑別にCK20染色が有用とされており,自験例でも診断の一助となった.
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