Japanese
English
症例報告
腰背部に手拳大の皮膚石灰沈着症を伴った全身性エリテマトーデスの1例
A case of systemic lupus erythematosus with calcinosis cutis
大野 優
1
,
山根 理恵
1
,
白井 暁子
1
,
鴇田 真海
1
,
伊藤 宗成
1
,
中川 秀己
1
Yu OHNO
1
,
Rie YAMANE
1
,
Akiko SHIRAI
1
,
Mami TOKITA
1
,
Munenari ITOH
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Jikei University, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚石灰沈着症
,
異所性石灰化
,
全身性エリテマトーデス
Keyword:
皮膚石灰沈着症
,
異所性石灰化
,
全身性エリテマトーデス
pp.47-51
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204278
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 50歳,女性.22歳時に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)およびループス腎炎と診断され,ステロイド剤および他の免疫抑制剤の併用で治療されていた.約1年前より,腰背部正中に圧痛を伴う弾性硬の皮下腫瘤が出現し,その後徐々に増大し手拳大の大きさになった.血清カルシウムやリンの値は正常であった.MRIで腰背部に4.5×1.5×2.5cm大の腫瘤性病変を認め,CTでは同部位に一致して石灰化病変と,両側臀部の点状石灰沈着を認めた.病理組織所見では,真皮浅層から皮下脂肪織にかけて著明な石灰沈着を認め,一部に骨組織の形成像を伴っていた.以上よりSLEに生じた皮膚石灰沈着症と診断した.両者の合併について文献的考察を加え検討したところ,いくつかの合併機序が提唱されていた.自験例における石灰沈着症には,約30年にわたるSLEの長期罹患に伴う慢性炎症や血管炎の関与,そして長期ステロイド内服の関与が考えられた.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.