Japanese
English
症例報告
骨髄異形成症候群患者に生じた皮下Mycobacterium kansasii感染症の1例
A case of subcutaneous Mycobacterium kansasii infection in a patient with myelodysplastic syndrome
丸田 直樹
1
,
登谷 晶美
1
,
中溝 聡
1
,
中川 雄仁
1
,
谷岡 未樹
1
Naoki MARUTA
1
,
Masami TOYA
1
,
Satoshi NAKAMIZO
1
,
Yujin NAKAGAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
1福井赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Fukui Red Cross Hospital, Fukui, Japan
キーワード:
皮下Mycobacterium kansasii感染症
,
非結核性抗酸菌症
,
骨髄異形成症候群
Keyword:
皮下Mycobacterium kansasii感染症
,
非結核性抗酸菌症
,
骨髄異形成症候群
pp.1067-1071
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200061
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要約 73歳,男性.血液内科で骨髄異形成症候群の治療中であり,約半年前から副腎皮質ステロイドの全身投与がされていた.2週間前より,発熱および右胸腹部の発赤,腫脹が出現し,蜂窩織炎として抗生剤や抗真菌薬が投与されたが改善しないため,当科に紹介された.生検病理組織所見では,真皮深層から皮下脂肪織にリンパ球,好中球,組織球からなる著明な炎症細胞浸潤と,一部に類上皮細胞肉芽腫の形成を認め,生検組織の抗酸菌培養でMycobacterium kansasiiが同定された.各種検査にて他臓器病変を認めず,自験例を皮下M. kansasii感染症と診断した.リファンピシンを含む5剤併用療法を行ったところ,速やかに軽快した.M. kansasiiは肺感染症を起こすのが一般的で,皮膚科領域での報告は稀だが,免疫抑制状態にある患者で,感染症が疑われる場合には,早期から抗酸菌の検索もすべきであると考えた.
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