Japanese
English
症例報告
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例
A case of methotrexate-associated lymphoproliferative disorders
神野 直子
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
,
菊池 亮太
2
,
花岡 成典
2
,
山中 寿
2
Naoko JINNO
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Ryota KIKUCHI
2
,
Masanori HANAOKA
2
,
Hisashi YAMANAKA
2
1東京女子医科大学皮膚科
2東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
2Institue of Rheumatolongy, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患
,
Epstein Barrウイルス
,
リンパ腫様肉芽腫症
Keyword:
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患
,
Epstein Barrウイルス
,
リンパ腫様肉芽腫症
pp.979-984
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200042
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要約 72歳,女性.関節リウマチがあり,6年前からメトトレキサート(MTX)12.5mg/週を開始され,コントロールされていた.2012年4月からCRPが7.27mg/dlまで上昇し,10月上旬から発熱と胸部CTにて肺に多発性の結節影を認めたため,10月下旬からMTXを中止した.同時期より両下腿にコイン大の結節が出現した.病理組織像では,真皮下層から皮下脂肪織の膠原線維および一部の血管壁に強い変性像があり,CD20陽性Bリンパ球の浸潤を認めた.さらにその外方にはCD3,CD8陽性Tリンパ球が浸潤していた.CD20陽性Bリンパ球にほぼ一致してLMP-1染色,EBER in situ hybridizationで陽性所見を認めた.血液検査ではsIL-2R 1,650U/ml,血中EBウイルスDNA値7.3×10コピー/106 cellsと上昇していたが,MTX中止後,肺の結節影,下腿の結節の軽快とともに,正常範囲内に復した.以上よりMTX関連リンパ増殖性疾患と診断した.免疫抑制状態の患者で肺や皮膚に結節を認めた場合は本症の可能性も考慮すべきと考えた.
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