Japanese
English
症例報告
皮膚型成人T細胞性リンパ腫/白血病(ATLL)の1例
A case of cutaneous adult T-cell lymphoma/leukemia
高野 哲郎
1
,
森田 美穂
1
,
佐藤 勘治
1
,
饗場 伸作
1
,
金子 聡
1
,
梶浦 智嗣
2
,
田中 真里
3
Tetsuro TAKANO
1
,
Miho MORITA
1
,
Kanji SATO
1
,
Shinsaku AIBA
1
,
Satoshi KANEKO
1
,
Satoshi KAJIURA
2
,
Mari TANAKA
3
1横浜労災病院皮膚科
2北里大学医学部皮膚科学教室
3浅野皮フ科
1Division of Dermatology, Yokohama Rousai Hospital, Yokohama, Japan
2Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine, Sagamihara, Japan
3Division of Dermatology, Asanohospital
キーワード:
皮膚型成人T細胞性リンパ腫/白血病
,
adult T-cell lymphoma/leukemia
,
HTLV-1
,
罹病期間
Keyword:
皮膚型成人T細胞性リンパ腫/白血病
,
adult T-cell lymphoma/leukemia
,
HTLV-1
,
罹病期間
pp.985-990
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200043
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要約 48歳,女性.鹿児島県出身.幼少期より慢性湿疹として治療を受けていた.1994年頃より皮疹が増悪し,2011年9月から頸部,体幹,四肢に褐色局面が出現した.病理組織検査にて異型リンパ球の表皮向性があり,免疫染色でこれら細胞はCD3,CD4,CD5陽性であった.末梢血に異型リンパ球の出現はみられなかった.臨床検査所見上,末梢血の抗human T-cell lymphoma/leukemia virus, type 1(HTLV-1)抗体陽性であり,皮膚生検組織のサザンブロッド法にてHTLV-1 proviral virus DNAのモノクローナルな増加を認めた.各種画像検査で異常なく,皮膚所見のみを呈する皮膚型成人T細胞性リンパ腫/白血病と診断した.慢性湿疹としての経過中であったがより浸潤の強い皮疹が出現したため,2度の皮膚生検,および抗体検査により,皮膚型ATLLと診断した.治療はPUVA療法を選択し経過は良好である.これまでの臨床症例を総合的に検討した結果,長期の経過を辿る皮膚型ATLLに対し急性転化に注意し観察を要すると考える.
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